雛人形の左大臣・右大臣について|雛人形・五月人形・浮世人形なら真多呂人形~大正8年創業~

真多呂人形のコラム

雛人形の左大臣・右大臣について

左大臣・右大臣の役割とは

雛人形に登場する左大臣・右大臣ですが、
これらの正式名称は隋臣と呼ばれており、
お殿様とお姫様をお守りする重要な任務があります。
左大臣・右大臣はお殿様とお姫様が出掛けられる際、
または宮中で寛いでおられる際にも、常に横について
身をお守りして、何かあれば盾になってお命を奪おうとする
敵を仕留めるという非常に頼もしい存在です。
現在で言えばボディガードやSPのような役割と言えるでしょう。
そんな左大臣・右大臣ですが、地位としては三人官女や五人囃子よりも位も高く、
宮中から絶大な信頼を得ている人物でした。
そんな左大臣と右大臣の間でも位の差というのは存在しており、
左大臣の方が地位は高く右大臣よりも先輩です。
左大臣と右大臣は常に共に行動をして、
職務も共に全うしますが、年齢が上であるケースが多いため
左大臣の方が上位となっているのです。

左大臣・右大臣の差

雛人形ではお召し物にも非常に気を付けています。
宮中では位の差をお召し物で判断するというしきたりがあったために、
これを忠実に再現しているからです。
また左大臣と右大臣の違いが分からないという方も
意外に多くいらっしゃいますが、お召し物の色や
左大臣の方が高齢で上位であることを把握しておくとよいでしょう。
左大臣は別名、一上(いちのかみ)とも呼ばれ、
公卿の筆頭という意味です。
ですから、通常は左大臣が最高位となり、
今で言う内閣総理大臣ということになります。
右大臣はその補佐で左大臣が不在のときはその職務を務めます。
左大臣というだけに左に飾りそうですが、
ここでいう「左右」は、お内裏さまの席から見たときの左右ですので、
左大臣は向かって右手、右大臣は左手に飾りましょう。