今も山形などにみられる寛永雛とは?|雛人形・五月人形・浮世人形なら真多呂人形~大正8年創業~

真多呂人形のコラム

今も山形などにみられる寛永雛とは?

寛永雛と山形の雛人形の関係は

江戸時代初期の17世紀前半に誕生した寛永雛は、
男雛は12センチメートル、女雛は9センチメートル余りと小さく、
両手を開いた姿で源氏物語を思わせるような、京風の顔立ちをしているのが特徴です。
小柄なため限られたスペースでも余裕で飾ることができるので、
最近注目を浴びている雛人形でもあります。
江戸時代初期の頃に飾られていた寛永雛は、
1段もしくは2段の低い台に、雛屏風を立てたものでした。
山形県では江戸時代に上流から河口まで航路が開かれ、
酒田から下関を通り、上方、江戸へと至る航路で物資が運ばれました。
帰りの船には生活物資だけではなく雛人形などが積まれ、
県内の文化に大きな影響を与えました。
船で届けられた寛永雛をはじめとする雛人形は県内の家々で大切に保管され、
未だにきれいな保存状態のまま伝えられているものがあります。
ひなまつりが近づくと、雛人形を自宅で飾り、公開展示しているので、
珍しいお雛様を見るために山形を訪れる人があとを絶ちません。

観光としての山形のひなまつり

かつて最上川の航路を通じて江戸や京都からの文化が入ってきました。
雛人形もそのうちの一つで、現在は春の風物詩として県内各地で、
雛めぐりが行われるようになりました。
場所によって開催時期は異なりますが、早いところで2月から始まります。
鶴岡市の致道博物館で開催される鶴岡雛物語は、3月から4月初旬にかけて開催され、
旧庄内藩主酒井家や旧家伝来の雛人形と雛道具のほか、
鶴岡特有の伝統雛菓子展の開催もあります。
道の駅象潟ねむの丘では、2月中旬から雛飾りの展示があり、
予約すればお雛様の解説を聞くことができます。
新庄ふるさと歴史センターでは新庄藩主ゆかりの雛人形や雛道具、
全国でも最大級の享保雛などが展示されています。
村山市総合文化複合施設甑葉プラザでは、長さ50メートルの雛壇が設けられ、
約6000体の雛人形が飾られ、訪れる人の目を奪います。
またひなまつり期間中は県内各地で特製雛スイーツが食べられるお休み処もあり、
地域をあげてまつりを盛り上げています。