今も大分などにみられる古今雛の特徴とは?|雛人形・五月人形・浮世人形なら真多呂人形~大正8年創業~

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今も大分などにみられる古今雛の特徴とは?

大分県のひなまつりにも見られる古今雛とは?

大分県の玄関口として知られている中津は、
一万円札でも有名な福澤諭吉を輩出した町で、
活気のある城下町として、さまざまな歴史や文化を育んできました。
この大分県の中津では、毎年「城下町中津のひなまつり」が開催されています。
この中津の特徴としては、町の高台に武士が住み、
その谷合に商人が住んでいたという珍しい形の城下町で、
このひなまつりには、武家屋敷と共に、老舗に飾られる雛人形も鑑賞できます。
ここでは、有職雛、古今雛、享保雛、一文雛など各種見ることができますが、
こちらで有名なのは、なんといっても江戸時代に地元の杵築藩を治めていた、
藩主松平家ゆかりの古今雛でしょう。
現在では大分県立歴史博物館に所蔵されています。

古今雛の歴史と特徴について

古今雛は、1764年から1772年にかけて、
江戸の池之端仲町の雛問屋だった大槌屋半兵衛が、
日本橋本石町十軒店の原舟月という人形師に古代雛を参考に作らせ、
「古今雛」(こきんびな)と名づけて売り出したのが始めといわれています。
「古今雛」の特徴としては、平安時代へのあこがれもあったようで、
引目鉤鼻の顔立ち、金や色の糸などを使って刺繍が施された美しい装束です。
さらに古今雛は公家風で、男雛が束帯、女雛が唐衣装の正装となっています。
そして、江戸末期の頃になると、雛人形の目の玉には水晶やガラスがはめ込まれ、
徐々に華麗で精密なつくりとなり、現代のひな人形に近くなっていきました。
また、女雛の冠となっている、釵子(さいし)と額櫛(ひたいぐし)は、
大垂髪(おすべらかし)をするために、
前髪を上げておくための道具として使われていたものです。
その他に、左右の端にいくつもの小さな玉をつないだ瓔珞(ようらく)を下げる、
天冠(てんかん)と呼ばれる大きな金の冠がありますが、
古今雛はこの天冠をつけた女雛が多いのも特徴といえるでしょう。