雛祭りとはまぐりの関係|雛人形・五月人形・浮世人形なら真多呂人形~大正8年創業~

真多呂人形のコラム

雛祭りとはまぐりの関係

雛祭りにはまぐりのお吸い物を食べる理由

雛祭りには今でも、はまぐりのお吸い物を食べますが、
それにはいくつかの理由があります。
はまぐりをはじめとする二枚貝は、昔はお姫様を意味していていました。 この時期に一番美味しい貝類の中でも、特に、はまぐりは二枚の貝がぴったり合って、
他のはまぐりの貝殻とは絶対に合うことがないため、
「女の美徳や幸せ」につながるとされたのです。
このようなことから、「はまぐり」は「夫婦和合・夫婦円満」の象徴とされ、
生涯一人の人と添い遂げて幸せな人生を送りますようにと、
結婚式にも縁起物として出されるようになりました。
  女の子が生まれたときには、お雛様を購入して雛祭りに飾りますが、
女の子は結婚するときに誰でもお姫様となるように、
結婚まで飾るお雛様に、その思いを込めて、はまぐりが食べられるようになったのです。

平安時代の貝遊びと花嫁道具の貝桶について

他の貝殻とは決して合うことのない「はまぐり」の特徴を生かして、
平安時代の上流社会の人たちの間では、一対のはまぐりに絵を描いて、
バラバラにして片割れを探す「貝覆い」や「貝合わせ」という、
今でいう神経衰弱に似たゲームをして遊んでいたようです。
結婚するときには上流社会の嫁ぎ先で淋しい思いをしないようにと、
嫁入り道具として、約一年分のはまぐり362個に、
豪華な絵を描いたものを、「貝桶」と呼ばれる豪華な箱に入れ、
一番に嫁ぎ先の家に運び込んだといいます。
昔は、嫁に出るとなかなか娘と会えなかったり、離婚もできなかったため、
いい相手と巡り合い、一生添い遂げてしあわせになってほしいという親心が形となり、
花嫁道具のひとつとなったのです。

今でも雛祭りには、はまぐりのお吸い物をいただく習慣が続いていますし、
七段飾りなどの「お道具」には「貝桶」が備えられているものもあります。
今も昔も、娘を思う親の気持ちは変わらず、形となって受け継がれているのです。