お出掛け日和

桜前線が北上して居りますが みなさま お花見にはお出かけになりましたでしょうか。
ある方に教えていただいたのですが。

平安時代初期の貴族であり 六歌仙の一人でもある在原業平の詠んだ歌に

「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」

(この世の中に、桜の花というものが無かったならば、春を迎える人の心は、おだやかでいられるだろうに。)穏やかであるはずの春だが 桜がいつ咲くかと待ちこがれ いつ散ってしまうのかと
心がおだやかではいられない。という感じでしょうか。

「伊勢物語」のなかで 主人公(在原業平)がこの歌を詠み

「散ればこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべき」

(散ってゆくからこそ、桜は素晴らしいのです。この辛い世の中に、永遠に変わらないものなどあるのかしら)と受け手が返歌をしています。
今も昔も 桜の便りに一喜一憂していたのですね。日本の四季っていいなぁとあらためて感じました。

そんな四季が楽しめる 学院に近い上野公園には桜の原木があるそうですね。
桜のお花はもう終わりに近づいてしまいましたが 春の日差しのなかお散歩や美術館めぐりには
気持ちの良い季節になりました。
学院でも春に相応しいお人形をご用意してお待ちして居ります。お散歩がてら 皆さまでお立寄り下さい。

そして 最後にその方が申しておりました。

「絶えて杉のなかせりば...」

花粉症の方はまさに 杉がなかったら春をおだやかに過ごせるのでしょうね。
それでは みなさま季節の変わり目ご自愛くださいませ。

 

A-963紅桜A-663春草