旧暦の雛祭りとは?|雛人形・五月人形・浮世人形なら真多呂人形~大正8年創業~

真多呂人形のコラム

旧暦の雛祭りとは?

太陽暦と太陰暦の違いとは

現在のひなまつりは、一般的には新暦の3月3日に行われています。
新暦とは、太陽暦、グレゴリオ暦とも呼ばれ、
太陽と月以外の星の位置関係が同じになるまでの時間を求めて定めたものです。
新暦では、可能な限り同じ日、同じ位置関係になるように暦を調整するので、
1年を365.24日として考え、平年を365日、また4年に一度は閏年として366日とします。
そこで、月日が同じであれば、太陽の位置は毎年ほぼ同じになります。
これに対して、旧暦は和暦、または太陰暦とも言います。
月の満ち欠けを基準にして1か月の長さを定め、
季節がずれないように閏年で調整したものです。
太陰暦は春分、夏至、秋分、冬至を基本にしているので、
1年が354日になり、太陽暦に比べると11日少ない計算になりますが、
大潮、小潮が正確に分かるため、漁業関係者にとっては非常に重宝なものです。
太陰暦は海面の高さに影響を及ぼす引力に関係するため、気候や人の体調も影響を受けます。
旧暦と縁の深いひなまつり

そして旧暦は、ひなまつりにも関係しています。
明治までは旧暦の3月3日に雛人形を飾っていましたが、
明治に入ると新暦に切り替わったため、4月3日にひなまつりを行うようになりました。
また、旧暦の3月は桃の花が咲く季節なので、桃の節句とよばれました。
ひなまつりの原型は平安時代にさかのぼります。
藁や草木を人形の形に模して、人形を撫でて穢れを移し、
川に流す「流し雛」が行われるようになり、
それ以来、上巳の節句として雛人形は災厄除けの守り雛として祀られました。
現在でも、地域によっては流し雛が行われています。
また宮中では、女の子の雅な遊び事として、紙人形を使った雛遊びがありました。

桃の花に願いを込めた節句の伝統

節句は季節の節目であり、江戸時代では祝日にあたります。
桃の節句以外にも、端午の節句、七草の節句、七夕、菊の節句があります。
ひなまつりに欠かせない桃の花は、古くから邪気を払う意味があり、
縁起が良いとして神事にも用いられるものです。
誰もが知っている昔話の桃太郎も、このいわれがルーツとなって
桃太郎が鬼を退治する話となっています。
そうした背景から、桃の節句、端午の節句は子供の健康を願い、
健やかに育つ意味を込めた祝い事になっているのです。
現在でも、桃の節句と端午の節句には雛人形と鎧兜の両方を飾る地域があります。